モーリス産駒の可能性
今年もダービーが終わり、梅雨が近づく6月の競馬場で2歳の新馬戦が始まりましたね。
期待の新種牡馬産駒も続々デビューしており、ドゥラメンテ産駒のアスコルターレが見事新馬勝ちを決めましたね。
対するモーリス産駒はというと、ブエナベントゥーラ(母ブエナビスタ)やドナウエレン(母ドナウブルー)など良血馬が続々とデビューしていますが、未だ勝ち星はありません。
ネットでは強くないだとか、色々な意見が飛び交っておりますが、このモーリス産駒の今後について私なりの予想・考察をしてみようと思います。
①モーリスについて
モーリスは2013年から2016年まで活躍した日本の競争馬で、父に2008年のジャパンカップを制したスクリーンヒーロー、母父に1994年凱旋門賞を制したカーネギーを持つ牡馬(オス)です。
出走時の体重は500~510kg前後で、競争馬としては平均~やや大きいくらいのサイズかと思います。
2歳秋に新馬戦を制し、自己条件クラスも勝ち上がった後、年明けは3歳クラシック戦線に挑戦しますが、スプリングS(G2)で5着、京都新聞杯(G2)で7着と結果を残せず3歳を過ごします。
明け4歳となった1000万条件クラスでは、半年ぶりのレースにも関わらず2着に0.5秒をつける圧勝を見せると、そこから4連勝で重賞・G1の安田記念を制覇してしまうます。
本格化してからのモーリスは圧倒的で、結局、この連勝記録は7まで伸び、
この先引退するまでの間1度も3着以下になる事はありませんでした。
競争成績は18戦11勝で、海外含むG1レースを6勝し種牡馬入りしました。
②勝ち上がれない理由
そんな伝説級の強さを持つモーリスですが、産駒たちは10頭が出走し、いずれも新馬戦を2着以下に敗れてしまっています。
こんなに強いお父さんなのになんで?と思ってしまいますね。
勝ち上がれない理由について私は以下のように考えています。
・晩成馬が多い
モーリスが明け4歳から本格化し、連勝街道を歩んだように古馬になってから重賞やG1クラスで活躍する馬が出てくるのではないでしょうか。
特にレガトゥス(母アドマイヤセプター)はデビュー戦の馬体重が556kgで、大型馬ですので、まだこの時期は成長途上なのかなと思います。
ただし、モーリスについては2歳時から素質の高さを周りに示していたようで、2歳時に騎乗したムーア騎手も絶賛していたそうですね。体質や成長具合がうまくかみ合った古馬になり真価を発揮したといった感じでしょうか。
・新馬戦のレベルが高い
今年のダービー2着馬サリオスが去年の6月1週目にデビュー勝ちを決めたように、最近の素質馬は早くデビューさせて、その後のローテーションに余裕を持たせる、がトレンドのようです。
秋の府中・京都でデビューしてトライアルレースに挑戦・・・みたいなのはもう古いみたいですね。
なので、今年の新馬戦も既に未来のG1ホース達が出走していたのかも・・・。
・雨の影響
ダービーウイークから府中では週末、大雨の日が続いており、先日のエプソムカップなど、道悪の影響か大荒れするレースが散見されますね。
モーリスの成績を見ると、明け4歳の自己条件レース、2着に敗れた札幌記念以外は全て良馬場でレースが行われているので、苦手かどうかはわかりませんがパンパンの良馬場で化ける馬がでてくるかもしれません。
③今後のモーリス産駒
では、今後モーリス産駒はどうなっていくのか?
ディープインパクトやキングカメハメハが亡くなってしまった今日本競馬はどのようになっていくのか?
私は以下のように考えております。
・モーリス産駒は当たる
モーリス産駒はハズレではないと私は考えています。
②でも述べたとおり、秋や明け3歳になって成長した馬達が増え、グッと勝ち上がり率は伸び、リーディングに名を連ねることになると思っております。
・非サンデー系やサンデーが遠い血統
現在の日本競馬はディープインパクトやハーツクライ産駒、キングカメハメハ産駒などが席巻しているのが実情かと思われます。
ディープインパクト・ハーツクライは同じサンデーサイレンス産駒で、この産駒たちが今後、繁殖に上がる事を考えるとかなり血が飽和してしまいます。(というか、サンデーサイレンス産駒がかなり前から飽和状態ですね。)
なので、どうしても非サンデーの父を持つ馬達にいい牝馬が集まってしまう事は容易に考えられ、重宝されていくことでしょう。
モーリス自身もサンデーサイレンスの血を持っていますが、その関係は遠く、ひいおじいちゃんにあたり、母父にサンデーサイレンスを持つ牝馬達は種付けしても問題なさそうです。
父キングカメハメハ・母父サンデーサイレンスという現代競馬の象徴ともいえる血統のG1・7勝馬アーモンドアイもモーリスをつける事ができます。
ブエナビスタもそうですが、名牝達の多くがサンデーサイレンスの血を保有していると思いますのでモーリス産駒は今後も増えていくことでしょう。
・ダートも走れる?
モーリスの父、スクリーンヒーローはウオッカ、ディープスカイ、メイショウサムソンの歴史的ダービー馬達が揃ったジャパンカップで大金星を挙げた馬として有名ですが、
デビュー当初はダートを走り2勝、オープンクラスでも2着しています。
その後芝への適正を見せ転向しやがてG1馬へとなっていきますが、モーリス産駒も大型馬が多いのであれば、ダートでの活躍も見込めるかもしれませんね。
個人的にはヴァーミリアンのような芝・ダート両方で重賞を勝つような馬を期待してます。
④結論
モーリス産駒は、秋から活躍し、重賞勝ち馬やG1勝ち馬も、来年・再来年には出てくることでしょう。
その活躍範囲は、芝だけでなくダートにも及ぶと予想(期待)しております。
がんばれモーリス産駒!